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🕒 最終更新: 2026-09-14 (直近更新)

東京海上ホールディングス 8766

東証プライムJGAAP→2027/3期からIFRS3月決算 保険持株会社データ基準日 2026/9/11

「東京海上日動」の保険引受と、集めた保険料を運用する巨大な運用資産の二層構造でもうける日本最大級の保険グループ。海外M&Aで築いた海外保険事業が利益の4割超を稼ぎ、2026年にはバークシャー・ハサウェイが2,874億円を出資する戦略的パートナーシップを締結した。

💡 はじめての方へ:保険会社は「①保険料を集めて事故に保険金を払う(保険引受)」と「②集めた保険料を株や債券で運用する(資産運用)」の2つの商売を同時にやっている会社です。東京海上は①を国内・海外の両方で、②を長期でじっくり行うことで利益を積み上げています。2026年、投資の神様バフェット率いるバークシャー・ハサウェイがこの会社の株主になったことでも話題になりました。

01企業カルテ

2026年3月期(JGAAP)実績と、2026年9月11日時点の市場評価。2027年3月期からIFRSに移行する過渡期にある。

経常収益(26/3期)
8兆8,723億円
+5.1%
経常利益
1兆3,486億円
前期比▲7.6%
親会社株主帰属当期純利益
9,804億円
前期比▲7.1%(前期の一過性増益の反動)
ROE(自己資本当期純利益率)
18.7%
前期20.6%。国内損保大手で高水準は継続
27/3期 会社予想純利益(IFRS)
8,300億円
前期比+56.2%(会計基準変更を含む)
年間配当金(26/3期)
218.00
15期連続増配。27/3期予想245.00円
時価総額
15.14兆円
株価7,794円(26/9/11)
PER(26/3期実績EPSベース)
15.1
PBR 2.70倍・利回り3.07%
成長性
海外保険が経常収益4兆5,951億円・経常利益5,591億円と最大の稼ぎ頭に成長。27/3期は会計基準変更もあり純利益+56%予想
収益性
ROE18.7%は国内損保として高水準。ただし前期の一過性益(政策株式売却)の反動で低下
財務健全性
自己資本比率17.0%(保険負債が大きいため他業種と比較不可)。ESRはバークシャー向け割当の希薄化影響で29pt低下
株主還元
15期連続増配、配当性向42.3%。27/3期はさらに自社株買い4,000億円を計画
バリュエーション
実績PER15.1倍・PBR2.70倍はMS&AD・SOMPO(PER8倍台)より明確に割高。海外成長と資本提携への期待が織り込まれている

※5軸評価は本レポート筆者の見解であり、投資勧誘ではありません。

💡 読み方:純利益は前期比で減っていますが、これは前期に政策株式(持ち合い株)を売った一時的な利益が大きかった反動です。本業の保険引受・海外事業の実力は年々強くなっている——だからこそ会社は来期に向けて増配と自社株買いを同時に打ち出せています。

02ビジネスモデル図解

カネ()・モノ・サービス()・情報()の流れで見る、東京海上の稼ぎ方。

カネの流れ モノ・サービスの流れ 情報の流れ
起点国内の自動車・火災保険を中心とした元受保険の引受
定説保険会社は「保険料を集めて保険金を払う」だけの薄利ビジネス
逆説集めた保険料の運用収益と、海外M&Aで買った高収益な特殊保険の引受利益が稼ぎ頭に。「国内損保・国内生保・海外保険・資産運用」の四層で利益を積み上げる保険持株会社

契約者から集めた保険料は、①事故が起きたときの保険金支払い、②将来の支払いに備える責任準備金の積立、③長期の資産運用に回る。運用収益(26/3期・資産運用収益1兆9,846億円)は保険引受収益と並ぶ収益の柱。海外は2008年のフィラデルフィア買収以降、HCC・デルフィ等の買収を重ね、経常利益5,591億円(26/3期・利益の4割超)を稼ぐ最大セグメントに成長した。2026年にはバークシャー・ハサウェイが第三者割当で株式を取得し、再保険分野での協働を含む戦略的パートナーシップを締結。

💡 やさしく:保険会社は「入ってくるお金(保険料)」と「出ていくお金(保険金)」の間に大きなタイムラグがあります。このタイムラグの間、預かったお金を運用して増やせるのが保険会社の隠れた強み——銀行が predeposit を貸し出すのと似た構造です。

03成長の歩み — 5期で経常収益は+51%、利益は波を伴いながら拡大

22/3期の資源高・金利上昇局面から、海外M&Aと国内料率改定を経て26/3期まで。単年の増減より複数期の平均で見るのがコツ。

経常収益の推移(22/3期〜26/3期)

単位:億円

経常収益は5期で5兆8,638億円→8兆8,723億円へ約1.5倍に拡大。海外保険事業の増収と国内損保の料率改定効果が牽引した。

経常利益・当期純利益の推移(22/3期〜26/3期)

単位:億円

23/3期は資産運用の逆風で減益となったが、24/3期・25/3期と大幅増益。26/3期は前期の政策株式売却益の反動で経常利益▲7.6%・純利益▲7.1%となったが、水準としては22/3期の2倍以上を維持している。EPSは515.55円(前期542.16円)、1株当たり純資産(BPS)は2885.44円(前期2640.27円)。

💡 やさしく:保険会社の利益は「自然災害の多い年・少ない年」「株式市場が良い年・悪い年」で毎年ブレます。1年の増減に一喜一憂せず、5年単位のトレンドで実力を測るのがプロの見方です。

04今期の焦点 — バフェットの資本提携とIFRS移行という「二枚看板」

2026年、東京海上には2つの構造変化が同時に起きた。バークシャー・ハサウェイとの戦略的パートナーシップと、2027年3月期からのIFRS任意適用である。

バークシャー・ハサウェイへの第三者割当と自社株買い(2026年)

単位:億円

2026年3月23日、東京海上はバークシャー・ハサウェイの完全子会社National Indemnity Companyを割当先とする第三者割当増資(自己株式処分)を決議し、2026年4月13日に払込が完了した。処分株数48,207,200株・処分価額1株5,962円・処分価額総額2,874億円。同時に、この割当による希薄化の影響を相殺するため、2026年4月〜9月に上限2,874億円の自社株買いを実施する旨を決議している(27/3期の自社株買い計画4,000億円とは別枠)。再保険分野での協働やM&A等における戦略的提携も柱に含まれる。

💡 やさしく:バークシャー・ハサウェイは「保険会社の保険会社」とも呼ばれる再保険の巨人。そこが東京海上の株主になり協業するというのは、保険のプロ中のプロが東京海上の実力を認めた、というメッセージ性の強い出来事です。ただし発行株数が増える分は自社株買いで打ち消す設計になっており、既存株主の取り分が単純に薄まるわけではありません。

修正純利益はJGAAP「旧定義」からIFRS「新定義」へ——同じ期でも数字が変わる

単位:億円。26/3期は同じ期間を2つの基準で見た数字

経営指標として使う「修正純利益」(親会社株主帰属利益からキャピタル損益等を控除した非GAAP指標)は、JGAAP時代の旧定義では25/3期実績12,150億円→26/3期実績12,048億円だが、2027年3月期からのIFRS移行に伴う新定義で同じ26/3期を見ると参考値8,815億円になる。27/3期の会社予想は新定義で9,500億円(+8%)。定義変更の影響を知らずに新旧の数字を比較すると「利益が急減した」と誤読するので注意が必要。

💡 やさしく:これは「メートル法からヤード・ポンド法に単位を変えた」ようなもの。会社の実力が変わったわけではなく、ものさしが変わっただけです。決算を追うときは、比較する2つの数字が同じものさし(同じ会計基準)で測られているかを必ず確認しましょう。

最新四半期(2027年3月期第1四半期・IFRS)の滑り出し

2026年4月〜6月。IFRS移行後、初めて開示された四半期実績

保険収益20,471億円(前年同期比+12.3%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益2,643億円(同+3.3%)、修正純利益2,614億円(同▲3.6%)。修正純利益が減少しているのは金融派生商品費用等の一時的な変動要因が主因で、保険引受自体は保険サービス損益が前年同期比+363億円と堅調。通期予想(修正純利益9,500億円)に対する4分の1超が第1四半期で積み上がった形。

05セグメント — 海外保険が経常利益の4割を稼ぐ稼ぎ頭に

セグメント別に見ると、国内損保が依然最大の収益源だが、利益では海外保険が国内損保に迫る規模に成長した。

セグメント別 経常収益(26/3期・億円)

合計8兆8,723億円(外部顧客からの経常収益+調整額)

海外保険が4兆5,951億円と国内損保(3兆7,729億円)を上回り最大セグメントに。国内生保は7,958億円、ソリューション・その他は2,577億円。

セグメント別 経常利益(26/3期・億円)

合計1兆3,486億円

国内損保は前年から1,488億円減少(7,444億円)。豪州の集団訴訟(Greensill関連)への引当金積み増しや自動車保険の損害率悪化が響いた一方、海外保険は前年から705億円増加(5,591億円)と対照的な動きになった。国内生保は236億円と規模は小さいが前年からは465億円減少している。

💡 やさしく:4つの財布(国内損保・国内生保・海外保険・ソリューション)を持ち、今年は「海外の財布」が一番重くなった年。国内と海外で明暗が分かれても全体としては大きく崩れにくいのが、多角化した保険グループの強みです。

06財務3表ビジュアル

経常収益8兆8,723億円と純利益9,804億円の間で何が起きているか。保険会社特有のBS・CFの読み方。

PL滝グラフ — 経常収益から純利益へ(26/3期)

単位:億円
💡 やさしく:保険会社の「経常費用」の大半は保険金の支払いと将来の支払いに備える準備金の積立。一般事業会社の「原価」とは中身が大きく異なります。

財政状態 — 総資産31兆9,619億円(26/3末)

単位:億円

自己資本比率17.0%(前期16.3%)。保険会社は預かった保険料(責任準備金232兆6,389億円)が負債の大半を占めるため、自己資本比率が一般事業会社より低く出るのが業界の特徴。

キャッシュフロー(26/3期)

単位:億円。営業CF5,843億円

FCF(営業CF−有形固定資産取得による支出・筆者算定)は+5,393億円。前期比で営業CFが大きく減っているのは、前期に政策株式売却で得た資金が投資CFに計上され営業CFの水準を押し上げていた反動と、法人税等の支払額が前期比+2,930億円増加したことが主因。

07収益性 — ROE18.7%はオイシックス型の薄利多売とは対極

ROE18.7%をデュポン分解し、資本コストとの関係を確かめる。

ROE(26/3期・会社発表)
18.7%
11.1%
売上高純利益率
保険引受+運用収益を合わせた収益に対する利益率
× 0.28回
総資産回転率
保険負債(責任準備金)で資産規模が膨らむため低め
× 5.94倍
財務レバレッジ
保険負債という「他人資本」を活用する構造

平均残高ではなく期末値ベースの筆者概算(純利益980,428百万円÷経常収益8,872,277百万円×100=11.1%、経常収益8,872,277百万円÷総資産31,961,940百万円=0.28回、総資産31,961,940百万円÷自己資本5,420,347百万円=5.90倍)。オイシックス(薄利×高回転の小売モデル)とは対照的に、東京海上は「高い純利益率×低い回転率×高いレバレッジ」という保険会社特有の型でROEを積み上げている。

ROIC vs WACC — 資本コストを上回っているか(筆者試算)

単位:%。概算値

簡便ROIC=親会社株主帰属当期純利益9,804億円÷自己資本5兆4,203億円≒18.1%(保険会社は有利子負債の概念が一般事業会社と異なるため、株主資本ベースの簡便値とする)。推定WACC(6〜7%程度、国内金融株の一般的なレンジ)を大きく上回っており、資本コストを上回る収益力を安定的に確保できている点は評価できる。

💡 やさしく:ROICが資本コスト(WACC)を上回っているというのは、「銀行にお金を預けるより、この会社に出資した方が増える」状態のこと。東京海上はこの差が大きく、長期保有に値する収益力があるという評価につながります。

08会計基準ビュー — JGAAP / IFRS / US-GAAP

東京海上は2026年3月期までJGAAP、2027年3月期の有価証券報告書からIFRSを任意適用する過渡期。保険会計は基準間の差が特に大きい領域。

利益指標の基準間ギャップ(26/3期・億円)

同じ期間でも「ものさし」で数字が変わる
  • 「経常収益」「経常利益」という日本独自の段階損益を使う。保険引受収益・資産運用収益・その他経常収益の合計から、対応する経常費用を差し引く構造
  • 非GAAP指標「修正純利益(旧定義)」は親会社株主帰属当期純利益からキャピタル損益等を除いた社内管理指標として長年使われてきた
  • 持分法投資損益は経常収益・経常費用の中に混在して表示され、US-GAAP/IFRSほど独立掲記されない
  • 「経常収益・経常利益」という段階損益が無くなり、「保険収益」「保険サービス損益」「金融損益」という保険契約国際会計基準(IFRS17)ベースの表示に変わる(1Q FY2027決算短信で先行適用済み)
  • 修正純利益は「新定義」に切り替わり、ALM・ヘッジ関連損益や事業投資関連損益も控除対象に加わるため、旧定義と同じ期間でも金額が変わる(本ページ④参照)
  • 純資産の呼び方も「純資産の部」から「資本」に変わり、非支配持分を含む「資本合計」と親会社所有者帰属持分を区別して開示する
  • 米国保険子会社(Philadelphia・HCC・Delphi等)はもともとUS-GAAPで管理されており、IFRS17との差異(長期契約の割引率の扱い等)は今後グループ内の会計統一の論点になりうる
  • US-GAAPは保険契約の負債評価にLDTI(長期性契約の改訂)を適用中で、IFRS17と方向性は近いが細部の仕組みは異なる
  • のれんの扱いはUS-GAAP・IFRSともに非償却・減損テストで、JGAAPの規則償却(20年以内)と異なる。海外M&Aで積み上がった無形固定資産1兆3,271億円(26/3末)の扱いに影響しうる
💡 やさしく:「経常利益」という言葉自体が日本独自の概念で、IFRSやUS-GAAPには存在しません。2027年3月期以降の決算は「経常利益」という見出しごと無くなるため、既存の投資家も新しい決算書のフォーマットに慣れる必要があります。

09同業比較 — 国内損保2社・グローバルP&C1社と比べる

国内の大手損保はMS&AD・SOMPOと合わせて実質3社体制。海外M&Aモデルの参考としてChubb Limited(米州最大級のP&C保険会社)も並べる(2026-09-11時点・stockanalysis.com調べ)。

東京海上のPER(TTMベース・stockanalysis.com調べ)28.09倍はMS&AD(8.44倍)・SOMPO(8.71倍)を大きく上回るが、これはIFRS移行に伴う会計上のノイズを含むTTM値であることに注意。26/3期のJGAAP実績EPS(515.55円)ベースで計算し直すと実績PERは15.1倍となり、それでも国内2社より高いバリュエーションだが差は縮まる。配当利回りは東京海上3.07%・MS&AD3.24%・SOMPO2.91%とほぼ横並び。Chubb Limitedは市場データ上PER11.97倍・配当利回り1.21%で、ROE・PBRはstockanalysis.comに掲載が無く非開示として扱う。

💡 やさしく:国内の大手損保は事実上「東京海上・MS&AD・SOMPO」の3社しかありません。その中で東京海上が最も高い株価評価を受けているのは、海外保険事業という「他社にない成長エンジン」を市場が評価しているためと解釈できます。

10戦略・課題と改善ポイント

海外M&Aで築いた成長エンジンを持ちながら、IFRS移行・資本提携という2つの構造変化をどう乗りこなすかが当面の焦点。

強み Strengths

  • 海外保険事業が経常利益の4割超(5,591億円)を稼ぐ、国内損保では突出した海外比率
  • 15期連続増配・配当性向42.3%と、還元姿勢の一貫性
  • バークシャー・ハサウェイとの資本提携という「保険のプロ」からの信認
  • PHLY・DFG・HCC等、米国スペシャルティ保険で高いコンバインドレシオ(92〜94%)を維持

弱み Weaknesses

  • 国内損保の経常利益が前年から1,488億円減少。自動車保険の損害率悪化と豪州Greensill訴訟のリザーブ積み増しが響いた
  • PER15.1倍・PBR2.70倍は国内同業2社より明確に割高で、期待先行の面がある
  • ESRが29pt低下(バークシャー向け割当による希薄化影響)
  • IFRS移行で開示指標が総入れ替えになり、投資家が実力を見誤りやすい過渡期

機会 Opportunities

  • バークシャーとの再保険分野での協働・M&A面での戦略的提携
  • 米国スペシャルティ保険(Employee Benefitsライン等)の着実なレートアップ
  • 国内自動車保険のレートアップ効果が27/3期に本格発現
  • IFRS移行を機とした資本効率・ROE経営目標の再設定

脅威 Threats

  • 自然災害の激甚化(国内・海外とも自然災害の予算超過リスク)
  • 豪州Greensill訴訟のような予期しない訴訟リザーブの積み増し
  • 為替変動(円安・円高双方向)が海外保険事業の円換算利益に与える影響
  • サイバーリスクの増大など、引受自体の難度が上がる新種リスクの拡大

改善ポイント(優先度つき)

最優先

国内損保の収益立て直し

自動車保険の損害率悪化に対するレートアップ効果の発現度合いと、豪州Greensill訴訟の影響がいつ一巡するかが27/3期の焦点。

最優先

IFRS移行の投資家コミュニケーション

「経常利益」が無くなり修正純利益の定義も変わるため、新旧指標の接続を丁寧に説明できるかが株価の安定に直結する。

中期

バークシャー提携の実利化

資本提携自体は完了したが、再保険協働・M&Aでの具体的な成果がいつ数字に表れるかが次の株価材料。

中期

希薄化相殺後の資本政策

2,874億円の相殺用自社株買いに加え、27/3期通期で4,000億円の自社株買いを計画。ESR低下分の資本バッファ回復ペースを見極める必要がある。

11投資メリット・デメリット

「海外成長は本物、国内は正常化途上、IFRS移行という霧の中でどう評価するか」が本レポートの総括。

▲ 強気材料(メリット)

  • 海外保険事業が経常利益の4割超を稼ぐ構造は他の国内損保に無い強み
  • 15期連続増配・27/3期予想配当245.00円(前期比+12.4%)
  • バークシャー・ハサウェイとの資本提携という需給・信用面の支え
  • 米国スペシャルティ保険(PHLY・DFG)は過去最高益・高コンバインドレシオを継続
  • 27/3期は純利益8,300億円予想(会計基準変更を含むが実態としても増益見込み)

▼ 弱気材料(デメリット)

  • PER15.1倍・PBR2.70倍はMS&AD・SOMPO対比で明確に割高
  • 国内損保の収益悪化(自動車損害率・訴訟リザーブ)が続くリスク
  • IFRS移行に伴う指標の断絶で、当面は決算の期間比較がしづらい
  • 自然災害の激甚化・為替変動への感応度が高い
  • ESR低下(希薄化影響)が今後の株主還元余力に与える影響は要観察

3つのシナリオ(筆者試算・27/3期予想EPS441.83円を起点)

強気シナリオ海外成長が続き会社予想を上振れ、EPS460円×PER18倍=8,280円水準(現値7,794円から上昇)
中立シナリオ会社予想どおり進捗、EPS441.83円×PER15.1倍(現状水準)=6,672円前後
弱気シナリオ自然災害増加・国内損保悪化が続き未達、EPS380円×PER13倍=4,940円前後
💡 はじめての方への総括:チェックポイントは3つ。①国内損保の収益正常化(自動車損害率・訴訟リザーブの一巡)、②海外保険事業の成長持続(米国スペシャルティ保険のレートアップ)、③IFRS移行後の実力の見極め(修正純利益・ROEの新しい水準)。配当利回り3.07%+15期連続増配という「待てる理由」がある一方、国内同業対比では割高な株価評価が続いている——海外成長ストーリーを信じられるかが判断の分かれ目です。